大阪でワークショップがあり、日帰りした。
本当にとんぼ返りだった。今年は飛行機や新幹線で移動する時間が、急激に増えた。サラリーマン時代から僕は出張があまり好きじゃなかった。移動の間やその他の時間が無駄ばかりに思えて、出張を楽しみにしている同僚もいたけれど、仕事で移動するのは好きになれなかった。行きたいところはプライベートで行けばいいと思っていたこともあるかもしれない。
今、僕が移動（旅）をしまくっているのは、仕事の出張と違って好きなことをするための移動である。とはいえ、やっぱり移動の時間は、もったいないと思ってしまう。だから、今年のテーマは、飛行機や新幹線の中でどれだけ仕事ができるか、だった。
ところがこれが本当にうまくいかない。たいていは、出かける前に将棋の本を1冊カバンに入れてしまう。これがいけない。仕事に疲れたら読もうかな、という気持ちで持参するのだが、新幹線に乗ってすぐ、将棋の本を読み始める。夢中で読んで、そのうち疲れて居眠りを始める。ふと目が覚めると頭がボーっとしているから「さ、仕事を」なんて気持ちにならない。ぼんやりした頭のまま、なんとなくまた将棋の本を手に取って読み始める。目的地に到着する30分くらい前になって、「いかんいかん」とPCを開き、せっせと仕事を始める。
2時間とか2時間30分の移動やフライトで、いつも仕事をしている時間は30分に満たない。ダメだな、こりゃ。移動時間を充実させることができれば、理想的な旅人になれるのだけどなぁ。将棋の本を持っていくのがダメなんだよなぁ。
まもなく四川に行く。四川関連の本を2冊、読みたかったエッセイを1冊、地球の歩き方を1冊、そして、将棋の本を1冊、カバンに入れてしまった……。これで空港でちょっと時間に余裕があったりすると、きっと僕はさらに1冊、将棋の本を買うのだろう。
PCはもちろん機内に持ち込む。「これは飛行機でやることにしよう」みたいな原稿はいくつもある。やるのかな、やるのかな、やらないんだろうな、やらないんだろうな。