カレーになりたい 180922

サラリーマン時代にお世話になった会社を早期退職した人たちの間で、「会社を辞めていちばん成功したのは水野君だ」ともっぱらの噂になっていると聞いて驚いた。いったいどこのどの辺を成功と見ているんだろうか。
特に派手に活躍している自覚はない。むしろ独立してからそれまで以上に出すぎないように気をつけている。依頼がひっきりなしにあるわけでもない。そして、日々のゆとりを優先させるために割とお断りするようにしている。お金が儲かっているわけでもない。昔も今も変わらず、著作の印税はみんなが想像しているのと比べたら驚くほど微々たるものだ。AIR SPICEだって、売れてはいない。積極的に売りたいとも思っていない。細々と丁寧にやりたいから。安定もないが不安もない。まあ、あまり何も考えていない、とも言える。
みんなが何をもって成功としているかわからないけれど、周囲が想像するようないわゆる“成功”を僕はまるで手にしていないのだ。むしろ色んなものを失っているとさえ思う。
それでもこの道を選んでよかったと思えるのは、ただひとつ。好きなものと自由に向き合って打ち込める環境を手にしたことだけである。もし周囲がそれを成功と解釈しているのなら、今の僕は、大成功だと思う。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。


*

CAPTCHA


▲UP