カレーになりたい 180805

仕込みで玉ねぎを切る。
あ、切ると言っても最近は、「切らない炒めない」がモットーなので、皮をむいて四つ割りにするだけだ。
玉ねぎをひとつ左手に取り、右手に持った包丁の根元の角で玉ねぎの軸に沿ってぐるっと回し切り取る。まな板の上に置いて玉ねぎの頭を切る。切り落としてしまうちょっと手前で止め、そのまま玉ねぎを持った左手首を上のほうにひねるように玉ねぎを持ち上げると、部分的につながっていた皮だけが下の軸のほうに向かってメリメリっとはがれていく。そのはがれた部分を親指と人差し指でつまみ360度回転させていくと皮がむける。さっと流水で洗い、四つ割りにする。
ひとつの玉ねぎを処理するこの作業は実際にやっているときはあっという間だけれど、言葉で説明しようとするとなかなか長くなる。
大量調理の時は、できるだけ同じ作業をまとめるのが効率よく進める上での鉄則だ。だから、玉ねぎは、軸を取る作業を延々とし、その後、頭を切って皮をメリメリッとはがす作業を延々とし、指で皮をむく作業を延々とし、最後に片っ端から四つ割りにして鍋に放り込む。これが一番早い。
はずなのだけれど、今日、せっせとその作業をしながら、ふと別のことが頭に浮かんだ。玉ねぎは形も大きさも、皮の厚さも、その他もろもろ、とにかく個性的だ。作業をまとめるのが鉄則とはいえ、軸をぐるっと回したときの感触や頭を落としたときの感触、最初の皮のめくれ方は千差万別。ということは、いま手にしている玉ねぎの個性によって、切り方もめくり方も変わるのだから、それを見極めながらひとつずつを最後の四つ割りまで完結させる方法もなくはない。
効率化して早く終わらせるなら、同じ動きでまとめて作業したほうがいい。
玉ねぎという野菜の特徴と処理の仕方を学び、習得するためなら、ひとつずつ最後のプロセスまで完結させたほうがいい。
どちらを選ぶかによって進行は変わるのだな。
今回の仕込みは、少し余裕があるため、後者を選ぶ。
ほう、そうくるか。そうくるならこうするよ。だなんて、文字通り、ひとつひとつの玉ねぎと対話をしながら作業を進めていく。……とあっという間に10キロの玉ねぎが完了した。すごく勉強になった。またこれで、玉ねぎ処理がレベルアップしたかもな。
 

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