カレーになりたい 180727

ひょんなことから天然酵母に興味を持ち、実際にフルーツを使ってやってみようと思ったのだけれど、何からどう手をつけていいのかわからない。まずは、朝一のオープンと同時に三茶のブラーンジュリ・シマになだれ込み、島くんに立て続けに質問をぶつける。
「ついにパンに手を出すんですか?」
「いや、パンには手は出さないよ」
「水野さんがやり始めたら……」
「いや、だから、パンを焼きたいんじゃなくて、発酵とか酵母に興味があるから」
パンを買いながら質問を続け、ふとレジの上を見ると、フルーツ酵母を起こしている密閉容器が4本並んでいる。一度もふたを開けずに置いた10年物、らしい。が、これは、店で使っているものではないそうだ。色々と話を聞いたのだけれど、面白かったのは、天然酵母からパンに適した菌だけを取り出して培養している、という話だった。
「うちは食べやすいパンを目指しているんで、酸っぱいパンとかにしないように菌をコントロールしてるんです」
なるほど(というか、ここでなるほど、とか素人まるだしなんだろうけど)。ちょっと前に農業している友人から、有機栽培のメリットデメリットについて話を聞いたときのこと自分の中でつながることがあって、興味深い。
酵母のことで、知りたいことがたくさん出てきた。その足で大型書店へ行く。料理書コーナーのパンの棚を1時間近くかけて物色。500冊近くはあるだろうか。その中で天然酵母というコーナーに50冊以上の本がある。気になるものを片っ端から引っ張り出してペラペラとめくる。のだけれど、僕が知りたいことがずばり書いてある本は一冊もない。これだけパンの本があるというのに。
そうか、もしかしたら、カレーの本の世界もこれと同じなのかもしれない。世の中にカレーの本はあふれているけれど、ある誰かが「これを知りたい」と思ったときにそれがダイレクトに書かれた本はなかったりするのかも。インターネットを検索してみても、いろんなことは書かれているけれど、どれを信用していいのかわからない。結局、島君のように身近にいる信頼できる人に直接聞くのがいい、ということになる。
「いろんな意見がありますからね」
と前提を置きながら、島君は自分の意見を話してくれる。しばらく天然酵母について探ってみようと思う。自分と違う世界に足を踏み入れると、カレーの世界でアウトプットをするときに参考になることがたくさんあっていい。

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