レコードをかけているときのじいさんの笑顔といったら……。
「さすらいのレコードコレクター」という映画を観た。
50年近くアナログレコードをコレクションし続けているアメリカ人のドキュメンタリー。
1920年代を中心とした古い音楽をこよなく愛し、ロックを毛嫌いする男。
信念をもってブレずにひとつのことを追求している人はステキだなぁ。
地下室で葉巻をくゆらせてレコードをターンテーブルに乗せ、
音楽が鳴り出すと満面の笑みで体を揺らす。
「ロックが世界をダメにした」とか「今の音楽なんて聴くに値しない」と取材に答え、
10年に一度の割合で地元の新聞に記事が掲載されると、
毎日朝ご飯を食べに行くダイナーへ持っていって嬉しそうに店主のおばあちゃんに見せびらかす。
記事を見た読者から「我が家の古いレコードを買いに来てほしい」と電話が入ると車を飛ばし、
倉庫を物色して「あんまり古くないね」と残念そう。
家主を自分の車に連れていき、
「自分の好きな音楽っていうのはこういうのなんだ」とテープを聞かせ、音楽談議に花を咲かせる。
子供のようなおじいさんで、キラキラしていた。
古いレコードとレコードを通じて出会う音楽以外には何も必要としていない。
ただ同じように共感してくれる仲間なら初対面でも旧友でも大切にする。
ゆがんだ野心はない。
まっすぐ好きな音楽に向かっている。
彼の音楽を自分のカレーに置き換えたら、理想的なお手本になるなと思った。
あんな風に生きていきたい。

