カレーになりたい 180417

だいのおとながよってたかって……。
大の大人が寄ってたかって、ひとつのビーフカレーを作ったのだ。神宮前「ブレイクス」のビーフカレーを再現した。このプロジェクトは、とある熱狂的なブレイクスファン(ま、僕もそうなのだけれど)の発案で始まり、店主の赤出川さんにお伺いを立てつつ、味見をしてもらってアドバイスをもらったり、レシピを添削してもらったりして進めている。4回目か5回目かな、試作をするのは。
赤出川さんには、あまりダイレクトな答えをもらわないようにしているから、探り探りカレーを作る楽しみがある。そして、赤出川さんに大きなダメ出しをもらうことも楽しみにしている。何人ものオトナが集まって、ああだこうだいいながらひとつの鍋に向かう。楽しい。
出来上がったビーフカレーはやたらとおいしい。
「これ、ブレイクスの味なんじゃない?」
「あれ? 再現できちゃった?」
「赤出川さんが何点つけてくれるかな~」
「90点くらいいくでしょう」
「前回の点数から落とされたらどうする?」
「もしそんなことあったら、逆に赤出川が警戒し始めたってことになるんじゃない?」
「おお、ブレイクスを超えちゃったのか!?」
「いや、でも、ほんとにうまいよね、このビーフカレー」
「カレー屋さん開こっか」
「やる(笑)?」
「店名は『ブレイクスルー』がいいんじゃない?」
「ブレイクスの秘密をブレイクスルー!」
AIR SPICE Laboで夜の12時近くまでやって、解散。帰りがけにエレベーター街をしているときにメンバーの一人が、しみじみとこう言った。
「オトナってたのしいなぁ」
本当にその通りだと思った。
誰かのためでもなく、お金のためでもなく、仕事でもなく、面白がる。
年齢や立場や住む世界やいろんなことがそれぞれ違う大人たちが集まって、面白がる。
ただただ、好奇心に任せて、面白がる。
時間はあっという間に過ぎていく。
オトナって楽しい。
面白がるためのアイデアやセンスや行動力さえあれば。
出来上がったカレーを僕はタッパーにつめ、冷蔵庫に入れた。メンバーで時間を合わせて、赤出川さんのところへ持っていくためだ。どうせ、また、めっためたにダメ出しされるんだろうけど、ね。

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