山梨に行ったのは、発酵とカレーのイベントがあったからだ。
発酵デザイナーの小倉ヒラクくんが、著書で「発酵菌はジョン・レノン、酵素はイマジン、ジョン・レノンが死んでもイマジンは歌われ続ける」とかなんとか書くもんだから、甲府へ行く中央線に乗りながら、「発酵菌がジョン・レノンじゃなくて、マイケル・ジャクソンだったら、酵素はなんだ？」などと考えを巡らせた。
仮に「酵素は、We are the world だ」としてみる。じゃあ、スパイスは何だろう？　スパイスは、きっと、あの伝説のレコーディングに集まってくるミュージシャンだ。個性豊かな歌声や歌い方であの曲を彩っている。マイケルはコリアンダーで、スティービー・ワンダーがクミンで、ボブ・ディランはブラックペッパーってところだろうか。シンディ・ローパーはカルダモンかな。招集がかかったが現場に現れなかったプリンスは、カレーには使わないがご飯を炊くときに加えるメースあたりだろうか。
そんな話をトークイベントでして、盛り上がった。
「あのレコーディングに集まったミュージシャンをもう一度洗い出して、それぞれがなんのスパイスなのかを決めたほうがいいね」
「やろうやろう、クインシー・ジョーンズになったつもりで」
イベントが終わり、その場にいた何人かが、「カレーは、We are the world ですね」と嬉しそうにコメントしてくれた。「いや、カレーじゃなくて酵素が、We are the world のはずじゃ……」とは言わないでおいた。
楽しい夜だった。さて、僕に残された課題は、あのミュージシャンたちをスパイスにあてはめることだ。すぐにはできないから、ひとまず、ソロを歌ったミュージシャンたちの名前だけでもメモしておくことにしよう。
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● We Are the Worldの参加者(ソロ、登場順)
ライオネル・リッチー
スティーヴィー・ワンダー
ポール・サイモン
ケニー・ロジャース
ジェームス・イングラム
ティナ・ターナー
ビリー・ジョエル
マイケル・ジャクソン
ダイアナ・ロス
ディオンヌ・ワーウィック
ウィリー・ネルソン
アル・ジャロウ
ブルース・スプリングスティーン
ケニー・ロギンス
スティーヴ・ペリー
ダリル・ホール
ヒューイ・ルイス
シンディ・ローパー
キム・カーンズ
ボブ・ディラン
レイ・チャールズ
　　
さて、どこからやろうかな。