カレーになりたい 170928

100年後のカレーのために、今の自分ができることの新しい一歩を踏み出した。
全国654のカレー店にお便りし、「カレーの進化を目指して情報共有しませんか?」と呼びかけたのだ。まずはご挨拶、という意味を含めて、自著「カレーライス進化論」と「黒船カレーを追え」を買って同封した。リスト化と発送作業は、この取り組みに興味を持ってくれた「カレーの学校」卒業生、30数名に手伝ってもらった。
今日から明日にかけて全国に届くことになるだろう。さて、どんな反応があるだろうか。まあ、カレー店さんは、日々、本当に忙しいからリアクションしている暇はない。そもそも、頼んだわけでもないのにいきなり本が届いて、「日本のカレーの進化のために一緒に何かしませんか?」だなんて、意味が分からない行動だ。みんなが額面通りに前向きに捉えてくれるとは思えない。
不信がられたり煙たがられたりするだろう。嫌悪感を抱く人もいるかもしれない。こういうことをするは、初めてではない。たとえば、「インド料理をめぐる冒険」を黄色い封筒で送り続けたプロジェクトは、意図せぬ展開を生み、シェフたちが集まる研究会が始まって、年に一度のイベントが生まれ、現在に至る。始めはかなりの確率で怪訝な顔をされた。
「水野君、あれ、いったい、なんのためにやってるの?」
今までにないことをやろうとしているのだから、始めから多くの人に理解してもらえるはずがない。大事なのは、次のアクションを起こし、それを続けていくことだと思う。そうすることで、理解者が増えていく。過去の経験からそう思う。
ワクワクもするし、ドキドキもする。
楽しみだし、怖くもある。
発送作業を手伝ってくれたメンバー、10名ちょっとで飲みに行って議論した。プロジェクト名は、「カレーのなる木」に決めた。メンバーの一人がこの名前で検索をかけたら、一番上に僕のこのサイト「カレー計画」がヒットした。リンクに富んでみると、2012年9月に僕は、「カレーのなる木」というプロジェクトをメモしている。これからやりたいと思っている「未刊」のリストに加えているのだ。1行だけ書いた説明文にはこうある。
「カレーの開発に試行錯誤したシェフたちの記録。制作中。」
奇しくもやろうとしていることのコンセプトは同じだった。僕はこれから、おいしいカレーの開発に試行錯誤してきた、している、これからもしていくシェフたちを訪ね歩き、お話を伺い、その内容を全国のカレー店さんに情報共有しようと思っている。今からちょうど5年前に芽生えた種がようやく小さな木になりそうだ。

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