とある新聞記者から取材依頼があった。
カレーの特集をすることになったから、現在のカレー事情や今後の見通しについて話を聞かせてほしい、というものだった。「常にカレー界の動向をウォッチしている水野さんにぜひ」とメールにある。
自分に協力できる内容だろうか、と一瞬悩んだが、丁重にお断りすることにした。僕はカレー界の動向の真っただ中に身を置いているに違いないけれど、別にそれらをウォッチしているわけではない。
それに、動向とかトレンドとかいう言葉にはどうしても拒絶反応を起こしてしまう。そんなことは意識していないし、傍から見ていて動向やトレンドを語ったり、評価、評論したりするなんて、正直いってダサいことだと思っている。
僕は、ずっと現役のプレーヤーでいたい。サッカー選手や野球選手だったならまだしも、引退して解説者になるような道は考えていない。自分が興味を持って自ら行動を起こしたものについて語るのなら喜んでする。でも誰かがやっていることを借りて持論を展開するだけの行為には違和感があるのだ。
記者の依頼に応えられなかったことは、申し訳なかったと思う。期待に応えられないのはいつでも残念に思う。でも仕方がない。
ちょうど、その夜、カレーの学校の授業があったから、冒頭にそんな話をした。いつもはくだらない話を延々と(授業開始時間が過ぎても!)枕にしゃべるのだけれど、いつになく真面目な話になってしまった。
カレーの学校では、生徒さんたちに「プレーヤーになってください」と伝えている。授業のたびに必ず話す。うんざりしている人もいるかもしれない(笑)。
カレー界に置いて動向やトレンドを語るプレーヤーも存在はするだろう。でも、僕自身にとって、そして、学校の生徒さんたちや卒業生さんたちにとっても、そういう行為をプレーヤーと認識してはいけない。どんなに些細なことでも、カレー界のトレンドに何も引っかからないことでもいい。自分で考え、自分で行動を起こすことに誇りを持って活動したいと思う。
「お楽しみはこれからだ」と常に頭に置いておこう。さて、次は何をしよっかな。

