カレーになりたい 170821

久しぶりにAIR SPICEの商品梱包作業をシャンカールとふたりでやった。黙々と単純作業が続くのだけれど、毎月ひとりでやっている発送作業と違って、住所や送る商品の確認などがない分、頭を一切つかわない。手だけを動かす完全な単純作業だ。14時30分から20時までせっせとやったから、5時間30分もの間、いろんな話ができた。
「俺たち、最近、小さくまとまってるね」
「カリ~番長の初期の頃は、もっと無茶なことしてたよな」
「つまんなくなったよね」
「もう一回、昔みたいなことやろっか」
「そーだなー」
「この前、誰かに言われたんだけど、『カリ~番長も、もう中堅だからな~』って話したら、『なに言ってんですか? 中堅じゃなくて大御所ですよ』って言われちゃったよ」
「それ、ダメな状態じゃん」
「そうなんだよ」
「もう一度、若手から再スタートのつもりでカレー将軍つくったんだけど」
「カレー将軍も若手には見られないね」
「じゃあ、なにするかな~」
みたいなことを言ったりして……。
話してて、2年ほど前に付き合いの長いとある編集者から言われたことを思い出した。
「最近の水野さん、活躍してるけど、俺から見るとなんかつまんないんですよね」
彼は、『俺カレー』という初めての著書を一緒に手がけた編集者だ。確かに別の人にこんなことを言われたこともある。
「何十冊カレーの本を出しても、『俺カレー』を超えられないですね~」
どちらも納得して黙るしかない指摘だった。大御所なんて言われるのはもう最悪な事態だ。
「いつまでたっても成長がないね、あいつら」
と言われなくては……。そんなこんなを考えながら、作業の後半は、来年のインド旅、テーマと行き先をどうするかという超現実的な話に落ち着いてしまった。これじゃあ、進歩がない。

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