カレーになりたい 170802

カレーの学校の第1期生が、WEBメディアの取材を受けている記事を読んだ。冒頭から、「カレーの学校というのはどんなところですか?」と質問があり、90分間、座学でカレーを学びます。とか、料理教室ではありません。とか、説明すればするほど迷宮入りしているような問答が続く。ああ、たぶん、彼女はカレーの学校を説明するのに相当苦労しているんだなと文章から見て取れた。
これは、学校の生徒たちが常に抱えている問題だと思う。たとえば、「カレーの学校とは、将来カレー屋になるためのスキルを要請する場所です」とか、「カレーの学校で資格を取得すると仕事が増えます」とか、そういうことになっていればわかりやすい。でも、そうではない。生徒が周囲に「カレーの学校へ通っている」と話した時に、「それってなにするの?」みたいな当たり前の質問に、誰もが明確な答えを見つけられずに困っているのだと思う。
申し訳ないな、果たしてこれでいいのだろうか、とインタビュー記事を読んで思った。学校に通ってくれた人たちは少なからず、みな、それぞれに得るべきものを得て卒業していく。でも、そこで得られるものや、充実した日々について、説明するのは難しい。きっと行った人にしかわからない場所みたいなことになっているのだろう。
秘密結社じゃあるまいし……。
もっと何も知らない第三者に対して明確な説明のできる場所であるべきなのかもしれない。
今夜は第5期生の3時間目の授業だった。テーマは、「カレーの思い出」。僕がカレーの世界で最も魅力的なコンテンツだと思っている切り口である。でも、カレーに興味のある人にとって、関心が強いのは、おいしいカレーを食べるとかおいしいカレーを作るとか、そういうダイレクトなものだ。カレーの思い出に隠された魅力を紐解くことの面白さは、いったいどれだけの人に伝わるんだろうか。
学校の存在もわかりにくければ、授業の魅力もわかりにくい。このままでいいような気もするけれど、何かを改善したほうがいいような気もする。もう少し、期を重ねながら考えていきたいと思う。

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