カレーになりたい 170701

AIR SPICEの発送作業をした。
毎月恒例で、僕が自分でやるようになって半年が経つ。購入者情報を整理して、宛名ラベルを作り、封筒に貼って、誰が何を何個購入したかをチェックしながら封筒に詰め、封をして、ある程度たまったところで郵便局に持っていく。
台車に乗せて最寄りの郵便局まで歩いていくから、雨が降るとちょっと大変。郵便局員たちにとっても恒例の作業になっているので、何も言わなくても僕が封筒のどっさり入った段ボール箱を渡すと手続きを進めてくれる。
発送作業をするときに気にかけているのは、「宛名ラベルをきれいに貼ること」だ。僕のレシピつきスパイスセットを購入してくれた全国各地の人に届くのだから、住所や名前を確認しながらラベルを貼っているときは、感謝の気持ちで満たされる。おのずとラベルは丁寧に貼ろうという気になる。
このラベルについて、僕は少し前にハッとさせられたことがある。
AIR SPICEを買ってくれている友人と話していたら、彼女から驚きの発言が出た。
「去年、AIR SPICEから届いた封筒のラベルが、ビックリするほど斜めになっていたの。あれを見た時、もう、AIR SPICEを買うのはやめようと思った」
もちろん、仲のいい友人だから半分冗談だったけれど、冷や汗が出そうになった。去年は別の人がラベルを貼っていた。AIR SPICEは僕が始めた取り組みだから、ラベルを“ビックリするほど斜め”に貼ることはあり得ない。商品に愛着があり、お客さんに感謝があったらそんなことはしない。
ただ、それよりも、ラベルが斜めだから次から買うのをやめようと思う人の気持ちは、考えたことがなかった。彼女はこう付け加えた。
「想像している以上にショックなの。人格を否定されたかのよう」
もちろん、これも半分冗談だったけれど、半分は本気だし、そう思う人が他にもたくさんいる可能性はある。本当にいい話を聞いたと思ったし、ラベルを貼る作業をするたびにそのことを思い出す。彼女には感謝しなければいけない。
丸一日かかる発送作業を僕が独りでやることには色んな意味があるけれど、いつかは誰かに手伝ってもらうときが来るだろう。そのときに、このエピソードは話しておいた方がいいかもしれないと思う。まあ、そうはいっても、ときどき、ラベルは少し斜めになってしまうのだけれどね……。

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