06冊目/スープカレーキッチン

札幌のスープカレーがまだメジャーではなかった時代。
初めて仕事をする編集者から連絡があり、
「スープカレーのレシピ本をつくりませんか?」とのこと。
あまりに唐突な話で面喰った。
札幌のスープカレーはあちこち食べ歩いていたが、
基本的にはスタイルが確立されていて、
スープのだしの取り方やスパイスの使い方、および
具とする素材に各店のオリジナリティがあるのだが、
大きな意味でいえば、100軒食べ歩いても大差ない。
要するにスープカレー屋さんを50軒集めても、
レシピ本として読み応えのある内容にはならないのだ。
すなわち、札幌スープカレーのことは忘れて、
スープ上のカレーのレシピを新たに開発しなければならない。
それが一番苦労した。
当時からすれば(今もそうかもしれないが)、
スープカレーのレシピだけが掲載された本なんて誰がかうの?
という印象があったが、その割にはかなり売れたので意外だった。
そういう点で本づくりの面白さを味わった。
   
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カテゴリー: 僕はこんなカレー本を出してきた |

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