カレーになりたい 171209

神戸に行ったのは、話したいカレーシェフがいたからだ。
来年の2月にインドへ行く。旅のテーマは、「チェティナード料理」。インドでも稀に見るハイブリッドなこの料理について調べるために、スリランカまで足をのばすつもりだ。スリランカ料理店「カラピンチャ」の濱田くんにこのことを連絡すると、そこからの彼の動きがすごかった。
スリランカにおけるチェティナード料理についてあれこれと調べてくれ、友人のスリランカ人にヒアリングし、沖縄のスリランカ人大学教授に問い合わせてくれ、スリランカにあるチェティアール(チェティナード地方に住んでいた人々)のコミュニティサイトを見つけてコンタクトを取ってくれている。
僕は、「こんなことに興味があるんだよね」と言っただけである。それなのに予想をはるかに超えてまであれこれと動いてくれる。こういうことがたまにある。日本のカレーのルーツを探りにイギリスに行ったとき、ロンドン在住のめぐみさんも同じだった。僕が日本に帰国してからもおびただしい数のメールが届いた。
スイッチが入る、というのはこういうことか、と思った。なぜスイッチが入るんだろうか。「期待されている、期待に応えたい」と思ってくれているからかもしれない。「それ、面白い!」と思ったからかもしれない。「自分もそのことが気になっていた」ということなのかもしれない。
理由はいろいろあるのだろう。でも、投げかける人を間違えたらスイッチは絶対に入らない。もし、僕が周囲にいる多くの人のカレースイッチを上手に押しまくることができたら、きっと想像がつかないくらいカレー活動は楽しくなるだろう。そのためのアンテナは僕自身が磨かなければならないのだ。下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる、みたいなやり方ではなく。
激混みだったランチタイムの営業が終わり、仕込みが始まっているというのに、目の前のテーブルにスリランカの地図を広げ、一所懸命話してくれる濱田くんを見ながら思う。僕はこの人に何を返してあげられるだろうか。誰かの“好奇心スイッチ”を押したら、同時に自分の“感謝スイッチ”を押さないといけないのだな。

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