薬膳カレーについての取り組みを始めたいと思います。
これまでカレー活動をする上で、「絶対に使うまい!」と思ってきた表現、「薬膳」。
スパイスに薬効がある以上、すべてのカレーは薬膳カレーです。
すなわち薬膳カレーという表現は、カレーに関わる人であれば、誰もが使える表現です。
だから、逆に、僕は、使いたくなかった。
東洋医学の大家と呼ばれる医学博士に聞いた話ですが、そもそも「薬膳」という言葉は、
日本の薬事法をすり抜けてビジネスをするために便利に使える言葉として
生み出されたものだそうです。
だから、医学業界で、この手の分野に知見のある人ほど
「薬膳」という言葉の使用は避ける傾向にあるのだとか……。
僕にもスパイスの薬効についてはある程度の知識があります。
でも、僕は医者でも研究者でもありません。
中途半端な知識や経験を元に「言ったもん勝ち」のような武器をふりかざしたくない。
「薬膳」という言葉は魔法の言葉です。
これを上手に使えば、カレーを食べる人は増え、本は売れます。
いつか、僕が「薬膳」という言葉を使ってカレーの活動をする日が来るとしたら、
それは、医学博士の先生と共同プロジェクトを組んだときにしよう。
それまでは、中途半端に「薬膳カレー」という言葉は口にしたくない。
そう思ってきました。(これはあくまで私見です)
そして、ついにこの時がやってきました。
具体的なプロジェクトは今後、折をみて発表していきますが、
まさに医学博士の先生と薬膳カレープロジェクトを立ち上げることになりました。
学会での論文発表と一般の方々へのレッスンやカレーの提供の両面を手がけます。
とはいえ、僕自身は、この世界は、知らないことばかりです。
僕にとっても「はじめての薬膳カレー」。
これから勉強しなくてはならないことが山積みですが、
いよいよこの世界に足を踏み入れる環境が整いましたので、
みなさんと一緒に学んでいけるような取り組みにしたいと思っています。
2016年1月 水野仁輔
はじめての薬膳カレーについて
カテゴリー: はじめての薬膳カレー