料理教室について思うこと

料理教室やってないんですか?
料理教室やらないんですか?
  
本当によく聞かれる質問です。
 
カレー屋やってないんですか?
カレー屋やらないんですか?
  
この質問と同じくらい頻繁に聞かれます。
答えはすべて「NO」です。
質問が出るくらいですから、求めてくださっている人がどこかにいるのでしょう。
とても嬉しいことです。
それでも料理教室を積極的にはやらない理由は、単純に僕の身勝手な考え方によるものです。
料理教室という以上、僕と受講者の関係性は先生と生徒になるわけで、
必然的に料理教室とは僕が習得している知識や技術を受講者に伝授する場、となります。
そういう場を持てることの楽しみや喜びがないわけではありません。
  
でも、僕は、カレーに関して、自分自身がずっと“生徒”でいたいと思っています。
僕の知っていることをお披露目する余裕があったら、
その時間で僕の知らないことをどこかの“先生”に教えてもらいたい。
“教えたい”よりも“学びたい”気持ちが先にきてしまう。
だから料理教室はやらないんです。
ま、そもそも自分は料理教室で生計を立てる料理研究家ではありませんし。
あと、いわゆる“先生”的な立場に自分がおさまっていることの居心地の悪さも根底にあります。
   
「そんなこと言うけど、偉そうにカレーの本を何十冊も出してるじゃないか!」
と意地悪言わないでください(笑)。
本の出版などは、毎回、学ぶことばかりです。
    
とはいえ、それでも料理教室をやることがあります。
たとえば、「デザインカレー」や「カレー栽培室」のように。
そういう料理教室では、僕はあえて、難解な裏テーマを設定して、
教室でのレッスンを通して自分自身も何かを学べるような場にしたいと考えています。
僕自身が事前にかなり勉強をしないと開けないような教室。
それを受講者がどこまで求めているかわかりませんが、
そうすることで、僕自身が納得できる。
ずいぶん自分勝手な考えのもとに僕の開催する料理教室は成り立っています。
  
もちろん、受講してくださる方々には限られた時間でできるだけ多くのことを
習得してもらえるよう、全力を尽くしますが、
同時に僕も興味を持っている未知の世界のことを一緒に学べる場になるといいなと思っています。
  

カテゴリー: 料理教室 |

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