カレーになりたい 180216

謎解きをしているようなワクワクする気持ちがある。
チェティナード料理とは何かを探るインド旅で、仲間のシャンカールやバラッツと様々な仮説を立てながら、議論したり、調べたり、食べたりしている。
インドを代表するハイブリッド料理といえるチェティナード料理とは、なにか? なにがどうなってどんな料理ができたのか。旅先で会った人からの情報やレストランなどでの取材を通して、探っている。
装丁が目に留まり、買うことにしたタミルの伝統的な料理についての本を3人で読んでいると、バラッツが面白い情報を発見した。中東からやってきたムスリムとタミルとの接点、それがチェティナード料理に与えたかもしれない影響について。昨夜はその話で盛り上がった。まだ話したりないからこの先しばらく続くだろう。
歴史って面白いと思う。
史実は事実であり、正解かもしれないが、それは決してひとつではない。
900年前にAをやった人たちとBをやった人たちとCをやった人たちがいて、
それぞれから派生して600年前にA-A,A-B,A-Cをやった人たち、B-A,B-B,B-Cをやった人たち、C-A,C-B,C-Cをやった人たちがいる。
300年前には、A-A-A,A-A-B,A-A-CとA-B-A,A-B-B……、と無数に可能性がある中、
僕らは、たとえばチェティナード料理に関する、G-B-L-D-W-Pという現象について手掛かりをつかんでいるのかもしれない。
そんなものは何の役にも立たないかもしれないけれど、それをいろんな人の協力と僕らの実行力と仮説検証とさまざまな要素を活用することで探り当てる行為が楽しいのだ。
そうやってたどり着くかもしれない「チェティナード料理とは?」という定義は僕らだけのもので、独りよがりなもので、何かを動かすことはないのだけれど、それでも、僕らにとってはそれが宝になる。
そんな予感がこのチャローインディアにはある。
だから、探求の旅はやめられない。
 

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