カレーになりたい 180131

僕は真面目な人間だ。真面目すぎる。
真面目すぎることが、原稿を書くという行為から僕を遠ざけている。
もっと言えば、僕といい本との間を隔てているのは、僕が真面目であるという問題だ。
仮に僕がもっと不真面目な人間だったら、いま取り掛かっている本は傑作になるだろう。
カレーの学校に原稿を奪いに来た編集者に対して、しきりに僕は言い訳をした。
何を言ってんだろ、あの人……、といま振り返ると思う。
「いつものように軽やかに書いてくださいよ」
僕の言い訳には答えず、編集者はそう言った。
軽やかに?
軽やかってどんな文章?
あーあ、わすれちゃったよ。
どうしよっかな。

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