カレーになりたい 171126

「noteの連載、読んでますよ」
WEBサービス、cakesやnoteを運営する加藤くんにたまたま会ったら、そう言われた。加藤君とは同い年の将棋ファン仲間だ。
「ありがとう。問題シリーズね」
僕は、noteというサイトでカレーのテクニック論に関するさまざまな問題を取り上げ、考察した内容を毎週更新している。その問題は、「玉ねぎを細かく切る必要はあるのか?」とか「チキンカレーの鶏肉はどう加熱するか?」とか、マニアックなものばかりで、ほとんど僕の独り言のようなものだ。
「あの問題シリーズ、誰が読むんだろうね。そもそもみ問題だと思われているんだろうか?」
「そうなんだよね、だから、この前ツイッターにも書いたんだけど、あれはさ、水野さん以外に誰も問題にはしていないんだよ」
「だよね……」
「でもいいんじゃない? それが面白いから」
「水野の問題シリーズは他に誰が問題にしているんだろうか? 問題、だね」
「そう。今度、cakesかnoteでそのことについて取材させてよ」
そんな会話をした後は、将棋の話。2人で加藤くんのスマホで記譜を眺めながら「この手はどうだろう?」@「不調だよね」とか議論する。
僕は自己完結型なんだな、と改めて思った。何事もない日常に突っ込みどころを探して盛り上がるのが得意技だ。5年以上続いているポッドキャストのラジオ番組がまさにその典型。「ネタがないなぁ、話すことがないなぁ」と相方のリーダーとブツブツ言いながら、それでも毎週金曜に30分のフリートークをし続けている。面白いことなんて、毎週毎週そう自分の身に降りかかるわけではない。
「面白き事もなき世を面白く……」って句があったな、そういえば。面白いと思えるかどうかは捉え方次第だからねぇ。たいていのことは角度を変えたら面白がれるんだよね、きっと。
だから“問題シリーズ”では、自分で勝手に問題を抱え、悩み、苦しみ、面白がっている。解決したらしたで、しなかったらしなかったで、どっちにしても楽しい。それなら無人島に独りでいてもそこそこ充実した日々を送れるのだけれど、自分じゃない誰かを巻き込むのが好きだからたちが悪い。自家発電しておいて、電気を周囲にまき散らして、ちょっとでも光り出した人を見つけたら「ねえねえ」と近づいてコミュニケーションする。「君はどんな色を出すの? へえ、なるほど。そんな光り方があるんだ。じゃ、これはどお?」とかやって楽しむ。
じゃ自己完結型ではないのか。他人に迷惑をかける型なのか。迷惑かけられる人、いっぱい欲しいなぁ。

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