カレーになりたい 171120

会いたいのに会えない人の話をつらつらと書いて更新し、ページを閉じてメールボックスを開いたら、会いたい人からメールが届いていた。30分前の昨日は空だったはずのメールボックスに日付が変わった30分後の今日、1通のメール。まさかの。こんなことあるんだな……。
  
あまりのタイミングの良さに、今日書こうと思っていたことを忘れそうになった。忘れないうちに。
憧れの将棋のプロ棋士、森内俊之さんと鶴巻温泉の老舗旅館「陣屋」にカレーを食べに行った。詳細(?)なレポートは、そのうち書く機会があるはずだから割愛するとして、森内さんの周辺のお仲間さんたちと10人近くで訪れた。みなさん、当然だが、将棋に関係する方々ばかりで、食事をしながら将棋のことはもちろん、バックギャモンやポーカー、モノポリーなどの話に花が咲く。
嬉々としながらその手の話をしている人たちに囲まれて、ふと、考えた。みんな本当に勝負事が好きなんだなぁ。僕はいつから勝負をすることが苦手になってしまったんだろう、と。
将棋は幼稚園の時に覚え、高校時代まではよく指していた。剣道部だった僕が将棋部の部長よりも強かったというのが僕の高校時代の唯一の自慢(笑)である。そのくらい当時は将棋をよく指した。でも、大学に入ってから機会が全くなくなり、いつの間にか誰かと盤をはさんで対局することに恐怖心を覚えるようになっていた。今の僕は、いわゆる「観る将」と言われる、対局はしないがプロの対局を見て楽しむファンに属している。
勝つことがそれほどうれしくない。負けることが怖い。要するに勝ち負けをハッキリさせるゲームに自分が身を投じること自体が楽しくなくなってしまったのだ。どうしてなんだろう。振り返ってみれば、僕は、誰かと戦うことを避け、誰とも戦わなくていい世界を求めてきたような気がする。「おいしい、おいしくない」という個人的な好みで語られるカレーの世界は、白黒がハッキリする将棋の世界と違ってぬるいといえばぬるい。
しかも僕はそのカレーの世界にいながらにして、「おいしいかおいしくないか」にはあまり興味がない。自分のおいしいにも他人のおいしいにもあまり興味がわかないのだ。一方で僕がカレーの世界でやりたいことは、「誰もやっていないこと」とか「誰も思いつかなかったこと」である。それがたとえ独りよがりなものだったとしても、誰かがやっていることを追いかけて打ち負かそうとか這い上がろうとするのではなく、もともと誰もいない荒野を見つけてそこに立ってみる、みたいなことを目指してずっとカレー活動をしてきている。勝負事から逃げたい自分の自己防衛本能がそうさせていたのかもしれないと思った。
ただ、一方で、「ナンバーワンよりオンリーワン」という考え方は昔から好きになれないから始末に悪い。なんとも説明がつかないな。勝ちたいというは思わないし、争わないで済むなら争いたくないと常に思っているけれど、ナンバーワンになりたいという気持ちはなくはないのだ。んんん、というよりも「ナンバーワンだからオンリーワンだ」という人には憧れるけど、「ナンバーワンでもないのにオンリーワン」みたいな人には憧れないというか。
全然、自分で書いてることも整理がつかないな。誰にも勝たないで一番になれる方法があるのなら、それが僕にとってのオンリーワンということなのかな。そんな幸せな人、いないか……。

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