カレーになりたい 171018

昨夜、ふいに「アジャンタ」へ行ってマトンカレーを食べたい、と思った。
今朝、ふいに「らっきょ」へ行ってスープカレーを食べたい、と思った。
「アジャンタ」へ行きたい理由は、あそこのマトンカレーの作り方にチェティナード料理の影響があるのかもしれないと思い始めたからだ。確かめに行きたい。ただ、店には従業員しかいないから、ただ食べにいくことになる。
「らっきょ」へ行きたい理由は、早稲田の店にはもう10年近く足を運んでいないからだ。店長兼シェフとしてカレーの学校の卒業生が店を切り盛りしているから彼に会いに行くような形になる。どちらへ行くべきだろうか。
考えた挙句、久しぶりにランチにはしごをしようと決めた。昼は新宿にいるから麹町も早稲田もどちらも自転車に乗ればそれほど遠くない。計画は立った。ところが、昼が近づいてくるにつれ、とある疑問が生まれ、モヤモヤとし始める。
2軒のカレー店をハシゴする場合、1軒目に訪れるのと2軒目に訪れるのでは、どちらが喜んでくれるのだろう? 仮に「アジャンタ」は店に知人がいないからいいとして、「らっきょ」は店長に会いに行く。
◆その1:スープカレーを食べながら「この後『アジャンタ』へ行くんだよね」と話す。
◆その2:「さっき『アジャンタ』で食べてきたんだ」と言ってスープカレーを注文する。
いや、どっちにしろ、そんなことはわざわざ言わないのが一番いいとわかっている。ただ、すべてを正直に話すことを前提としたときに店の人は果たしてどちらが嬉しいんだろうか? 
そんなどうでもいいこぼれ話?を50人ほどの人の前でしゃべった。「最後に聞くんで考えておいてくださいね」と言ったまま、最後に聞くのを忘れてしまった。その後、打上げ会場へ移動して飲み始めた時に誰かがその話をし始めた。それをキッカケに周囲にいた7~8人が議論を始めた。
ほとんどの人の意見は、「2軒目に行くほうが喜ばれる」だった。理由は、後に食べた方の記憶が残りやすいから、というもの。「うちを本命に考えてくれたんだ」と店の人は思ってくれるだろう、とのことだった。
少数派だが、「1軒目に行く方が喜ばれる」という人もいた。僕も加担した。もし、「2軒目に来たよ」と言われたら、「せっかくならお腹を空かせて来てほしかったな」と思うんじゃないだろうか。ああ、確かに、という空気が流れたが、「いやー、やっぱりお楽しみは後に取っておくでしょう」みたいな意見が主流だった。
どうでもいい問題だと思うけれど、これ、意外と意見がわかれそう。しかも、答えが出なさそう。1軒目に「らっきょ」を選んだ僕は、お腹いっぱいスープカレーを食べ、食べ終わる頃には、「アジャンタ」はまた今度にしようと考えていた。結果、ランチカレーは最初の1軒で終わったのである。
ハシゴはしなかったのだから、先と後とどちらが喜ばれるか? だなんて、考えても無意味なことなんだけどね。これはこれで結構楽しいんだから仕方ない。

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