カレーになりたい 181008

なんとも幸運なことに、愛媛県の内子町で偶然にも立川志の輔さんの独演会に遭遇した。縁あって、チケットを譲ってもらい、全く予定になかった数時間を過ごすことに。
新作「みどりの窓口」と古典「帯久」。なんだってあんなに上手なんだろう。どこをどう切り取っても面白い。すごい。
前半に新作、休憩をはさんで後半に古典というのは王道パターンだが、落語家さんは、(志の輔クラスになると、ということかもしれないが)、高座に上がる直前まで噺を決めずにいると聞いている。こちらも休憩時間中に「古典は何をやるんだろうな」とドキドキしながら待つ。
休憩が明け、志の輔さんが登場し、高座に上がる。しゃべり始めて、「あ、帯久だ!」となるのだけれど、このとき、ふと、「そうか、これってミュージシャンのライブと一緒なんだな」と思った。イントロが流れたところで歓声が上がったりするのは、「おお、次はあの曲か」という感嘆のどよめきだ。
落語も音楽のLIVEも観客がどの演目が来ても、「ああ、あれか」とわかることが前提になっている。カレーのライブクッキングもそういう部分があると面白いよな、と思った。カレーの古典ともいうべきレシピが50種類くらいあって、それを僕が習得する。もちろん、ライブクッキングを見に来る参加者も自分で作ることはしないまでも、レシピは把握している。僕が鍋に油を熱し、ホールスパイスを4種類くらい加えたところで、立ち上る香りをキャッチしたお客さんたちは、「おお、今日はチキンチェティナードか!」とどよめくのだ。
カレー界の志の輔を目指している仁輔としては、前半のライブクッキングでは新作を披露する。休憩時間に前半の客の反応を思い出し、「なるほど、今日の客はあんな感じだとしたら、後半の古典はあのカレーで行こう」と後半が始まる直前に決めるのである。古典のカレーを作り始めたって、僕は以前作ったのと同じやり方では作らない。だから、何度も見に来てくれているお客さんも、「なんだ、チキンチェティナードだったら前回も見たことがあるな」などとガッカリすることはない。
そんな風にカレーが作れたら、楽しいだろうなぁ。
いやぁ、それにしても、本当に志の輔さんは面白かった。うまかった。すごい。


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