カレーになりたい 180212

2年ぶりにインドへ行く。
写真をどうしようかな、と思って考える。
ケータイを持っていなかった何年かは、カメラが必須アイテムだった。でも、ある年にはそのカメラさえ放棄してインドを旅してみた。記録することを放棄する。記憶装置は自分の頭だけ。あ、いや、メモは取り、原稿は書いたけれど。
その後、僕は、スマホを手にした。去年はインドへ行かなかったから、もしかしたら、スマホを持って初めて行くインドになるかもしれない。インドに行ってスマホを取り出しては写真を撮影する自分を想像してみたら、なんだかすごく気持ち悪くなった。
いやだな、よそう。
そう思ったのだ。去年だって、カメラを持たずにあちこちに行った。上海もニューヨークもロンドンもパリも全部、必要なものはスマホで撮影した。ただ、基本的にそれらの国は、それほど撮りたいものがあったわけではない。今回のインドはチェティナード料理を探るというテーマがあるから、記録するべきものがたくさんありそうだ。だから、頻繁にスマホを取り出すことになる。それがなんだか気に食わない。気が進まない。
カメラを持っていこう。これまでインドによく持って行ったカメラは、ニコンのデジタル一眼レフだ。充電器をコンセントに差し込んだ。変圧器があったはずだ、とゴソゴソしていると、昔懐かしいカメラがいくつか見つかった。
コニカのHEXAR、リコーのGR、GXRの3台だ。HEXARはフィルムだからさすがにないにしても、GRとGXRは、今回のインドへもっていくカメラのチョイスとしてはなくはない。久しぶりに触ってみたりファインダーを覗いてみたりすると、だんだん気持ちが盛り上がってきた。GRにしようかな。
2台を順に手にしてなんとなくしっくりきたGXRのメモリを確認してみる。すると、サラリーマン時代に南仏のワイナリーを取材したときの写真がどっさり入っていた。もう、6年ほど前じゃないかな。僕はそれらの写真を削除して空にし、充電をすることにした。
GXRで撮るインドはどんなだろう? 記録ではない何か別のものも撮影してみたい。学生時代に写真をやっていたときのわくわくする感じがちょっとだけよみがえってくるような気がした。
コンセントに刺さっているニコンの充電器をひっこぬいた。今回は、お休みしてもらおう。
さてさて、GXRくん、よろしくたのみますよー。
 

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