カレーになりたい 171105

予約を取るのが大の苦手だ。
ロンドン往復の国際線はさすがに予約をしないと購入できないが、ロンドン~パリのユーロスターは、なんとなくセントパンクラスの国際鉄道窓口に行って、「今日、これからパリなんですが、チケットありますか?」と尋ねて購入した。「今日はない」と言われば明日にすればいい。「そういうことはすべて事前にネットで予約購入できる便利な世の中だ」と言われそうだけど、僕には、ネットで事前予約が極めて面倒な作業でやりたくない。「そんなこと言うけど、あるかどうかわからないチケットを求めてわざわざ駅まで何往復もするほうが面倒だ」と言われそうだが、その行為は、楽しめる性格なのだから仕方ない。
便利かどうかは人によるってことなのかもね。とにかく僕には予約という行為がストレスの対象になる。せっかくロンドンやパリに来たのだから、目当てのレストランくらいは予約して……、というのが普通の感覚なのかもしれないが、「予約をしなければならないレストランなら行くのを辞めよう」となってしまう。これは国内にいても同じだ。カレー屋さんなんかもたいては、人気の店、話題の店は予約をしないと入れない。その時点で、その店は足を運ぶことのない店に分類してしまう。話題の店は話題にならなくなってから行けばいい。それが3年後なら3年後、5年後なら5年後に行ってみたいと思えば行けばいい。
パリで「クラマト」というシーフードレストランに行ったのは、予約を一切取らない店と聞いたからだ。これは自分向けの店だ。20時前ごろに到着すると、「席が空くのは21時30分だ」と言う。この場合、僕はこの時点で自分の気分を確認する。「ま、やめよ」と思えばやめるし、「21時30分に来よう」と思えば初めてそこで“予約”をする。同じ通り沿いを歩き、適当なCafeに入る。ワインとサラダを頼んで、たまたま持ってた西寺郷太くんの「プリンス論」を読みながら待つ。21時30分ジャストに店に戻ると、店員さんが「パーフェクト!」と嬉しそう。
そんなふうに自分の時間を楽しめるのがいい。パリであれこれとお世話になっている明子さんと待ち合わせ、街中を歩いていると噂の「クラウンバー」があった。興味があるから行ってみたいと思っていた店だ。彼女がお店のシェフとは仲がいいからふらりと寄って、「明日、空いてる?」と聞いてくれた。「昼なら」ということで、翌日の昼に欧風カレー番長メンバーの渡辺くんも誘って食事をしに行った。クラウンバーは、Dersouと並んで今回のパリで行ってみたかった店の筆頭だったからよかった。が、もし、こんな形で行く機会がなかったら、僕は足を運んでいなかったかもしれない。それはそれで将来の楽しみができていい。
苦手な予約を頑張ってしてまでどうしても行きたい店というものは、僕にはないし、そういう店に予約をして計画通り足を運べることは、なんというのかな、一番幸せな形でもないんだよな。説明し難い感情なのだけれど。クラウンバーのメインシェフ、渥美創太くんを紹介してもらい、話の流れで、僕とDersouの関根くんで料理をする日のちょっとしたパーティに彼も遊びに来てくれることになった。なるならなるで、ならないならならないで。この自由な感じがものすごく気持ちいい。来るもの拒まず、去るもの追わず? ん? それはちょっと違うかな。一瞬先は闇? これも違うか。
どうなるかわからないことに身を委ねてその場の気分で自分がジャッジして動けることが僕にとっては最も自然でいられる環境なんだと思う。ただ、これを誰かにお勧めしたいとは絶対に思わない。賛同を得られる気はしないしね。
いずれにしても、苦手なことはしないほうがいい。そのほうが得意なことに力を注げるから、と思っている。
  


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