カレーになりたい 170711

今年になって初めてのオフを沖縄で過ごした。
2017年1月2日に上海へ取材に出かけて以来、7月9日まで半年以上、1日どころか半日も休みがなかった。先週末、沖縄で2日間に渡ってのイベント(ライブクッキング&料理教室)があり、最終日に1日だけ予備日を設けていたので、何も予定のない1日を過ごすことに。
何をするかは決めていなかったけれど、友人からプレゼントしていただいた小説を持っていったので、ビーチでのんびり読むことに(ちなみに小説を読めるのも今年初めて……)。沖縄本島の南端からボートで15分行ったところの小さな無人島に行き、パラソルを立てて文庫を読む。たまに海に入る。でも実質、2時間ほどしか滞在しなかった。
それ以上、ゆっくりした気持ちは起きなかった。リフレッシュになったような気もするし、小説が読めてよかったような気もする。でもはるかに物足りない気持ちの方が強い。こんなことしてていいのかな。というよりも、こんなことしてても楽しくないな。そんな感じ。
そそくさと島を後にして、夕方にやんばるで畑訪問させていただいた農家の奈良さんと一緒に南部の岸本ハーブ園を訪れる。車で向かう途中から急にテンションが上がってくる。岸本さんと2人の女性スタッフにご挨拶。スタッフに小さなハウス内を案内してもらった。僕の知らないハーブ、知っているけれど見たことのないハーブ、見たことはあるけれど味や香りを知らないハーブを次々と紹介してもらい、チョキンと切って味見させてもらう。そのスタッフの所作にしびれたなー。
まだまだ知らないことがやまほどあるんだなぁ、と。僕よりもはるかにハーブを専門的によく知っている岸本さんとスタッフのみなさんが、新刊「いちばんやさしいスパイスの教科書」と差し上げたら、ものすごく喜んでくれて、僕は正直、ちょっとだけ恥ずかしかったのだけれど、すごく素直な方々だなぁ、と。
そんなこんなで結局、1日オフのはずだったのに、夕方のハーブ園訪問が忘れられない体験になった。飛行機に乗って羽田に向かう途中に確信。きっと僕にはオフの時間は必要ないんだ、と。やりたいことだけを目まぐるしい日々の中でこなしてきた半年間だったけど、何もしない時間を過ごすこと以上に価値のある日々だったのかもしれない。
今日からまたオフの要らない日々が始まる。

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