カレーになりたい 170709

イベントで沖縄に来ているので、兼ねてから訪れたかった、奈良幹さんの農園に行った。彼は、農業コンサルタントをしていたことがキッカケで東京から沖縄に移住し、ご自身が農業に従事することになった。
那覇から車で2時間30分、3,000坪の畑で年間50品目の野菜を育てている。そして、随所にスパイスも育てていて、それを見学に行くのが主目的だった。ターメリックにはじまり、カー、レモングラス、バイマックルー、フェンネル……。いきいきとしたスパイス類に出会えた。
感激したのは、シナモンの木。立派な大きさで、木の皮を剥いだり葉をちぎったりするとシナモンの香りがする。15年以上前に南インドの山あいの地域で初めてこの体験をしたとき、僕はスパイスの魅力に目覚めた。だから、シナモンリーフは、AIR SPICEのロゴマークにもしている。それを沖縄で体験できるとは思っていなかった。
カレーリーフの大きさにもビックリ。自分の背丈の遥か上まで成長していて、もさもさと葉がついている。東京で鉢植えで大事に大事に育てている我が家のカレーリーフとはレベルが違う。4年でここまで成長したというからすごい。羨ましい限りだ。
最も刺激的な体験だったのは、オールスパイス。南米でシード(種)がよく使われるが、この木も葉を揉むと素晴らしい香りに出会えた。5枚くらい葉をもらって、車の中でもときどき揉んで嗅いだ。ジャマイカの名物料理、ジャークチキンを焼くときは、炭火にこのオールスパイスの枝をくべて、立ち上る香りでスモークしながら焼くという。枝からもいい香りが出る。
「スパイスとして瓶詰になって販売されているものだけがスパイスなのではない。香りよきものすべてがスパイスなのだ」、……という話は、新刊「いちばんやさしいスパイスの教科書」にも書いた。そういうことが実体験できる場があるのはとても魅力的だ。なんか、こういう“場”と“体験”と“情報”をセットにした取り組みを何か考えてみたいなぁ。
それにしても、僕は本当に香りフェチなんだなーと実感した農園訪問だった。
 

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