Japanese Curry Awards スタートします。

 今年の1月から3月までの3か月間、カレー取材のためにロンドンに滞在し、最も思いを巡らせたことは、世界最先端のモダンインディアン料理のすばらしさについてよりも、廃れて消えてしまったブリティッシュカレーの謎についてよりも、日本にしかないジャパニーズカレー(日本のカレー文化)の奥深さについてでした。
 日本のカレーはすごい。素直にそう思いました。
 じゃあ、その日本のカレーとは何か? この問いに対して、明快な答えを用意できる日本人は、現時点ではいないような気がします。インド料理はインドに行けば溢れています。タイ料理も同じ。でも日本には、海外には全くないカレーが数多く存在するのです。日本のカレー文化を堪能するために、最もシンプルな方法は、食べ歩きをすることだと思います。どのカレー店もきわめて個性的な味わいのカレーを提供していて、飽きることがありません。もしかしたら、日本のカレー文化に多大なる貢献をしているのは、このようなカレー店なのかもしれない。そんなカレー店を称えようじゃないか、と思ったのです。
 そんな考えから、“Japanese Curry Awards”というプロジェクトをスタートさせるに至りました。
 レストランを表彰するアワードといえば、ミシュランガイドが有名です。Japanese Curry Awardsはそんな権威を持った取り組みを目指しているわけではありません。イートミー出版が取り組むことですから、他のメディアをはじめとする各種事業社・団体が営利目的で実行するアワード企画とも違います。かといって、マニアックで排他的な取り組みにする気もありません。ただ純粋に我々が大好きなカレーの世界をおおいに盛り上げてくれたお店を勝手に表彰しようというスタンスでいます。
 世の中には、カレーを愛してやまない、カレーの食べ歩きに人並みならぬ情熱を注ぎ続けている偏愛家たちがいます。彼らと出会う機会がこのプロジェクトを前に進める大きな一歩となりました。
 Japanese Curry Awardsでは、審査員が毎年12店をノミネートし、持ち寄って議論します。審査基準は、「日本のカレー文化に貢献した店」。我々は、カレー愛好家の末席を汚す者として、日本のカレー界がもっと盛り上がってほしいという願いを持って、毎年、12店舗をアワード受賞店として称えたいと考えています。2014年のアワード発表は、12月30日の予定。これに関連してイートミー出版から1冊の本を出します。ガイドブックではなく、アワード審査会の内容を元に日本のカレーとは何かを考える一冊。毎年出版して行こうと思っています。審査員は来年以降、増えていく可能性もあります。ちなみに水野は審査員には名を連ねておりません。あくまでもイートミー出版編集長として本づくりをする立場です。
 小さく立ち上げて、末永く続けていきたいと思います。
 振り返ってみれば、ここ5年ほど、僕はインド料理に傾倒しすぎていたかもしれません。それだけインド料理とは奥深く魅力的な料理ですし、東京スパイス番長というインド料理研究集団を結成したことも大きな原因のひとつでしょう。これからもインド料理については探求し続けていきますが、この辺りで、自分の足場をインド料理ではなく、ジャパニーズカレーに戻したいと思います。
 日本のカレーとは、いったい何なのだろう?
 日本のカレーとは、なんててすごいんだろう!
 そんなことに少しでも注目が集まる取り組みになることを願って……。
 


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